「ハーブで料理」のススメ ローリエを美味しく使いましょう

「ハーブで料理」のススメ ローリエを美味しく使いましょう

ハーブにはたくさんの種類がありますが、特に料理に向くハーブのことを「キッチンハーブ」といいます。

キッチンハーブを料理に使うと、食材の臭みを消したり、風味がよくなり味に深みがでて、いつもの料理をレストランのような味にグレードアップさせることができます。また殺菌作用による防腐効果も期待できます。

最近では、近所のスーパーでもハーブコーナーが充実して、フレッシュやドライのハーブが手に入りやすくなりました。またコロナ禍の楽しみとして、ハーブを育て始めたという方も多くいらっしゃると思います。

キッチンハーブの代名詞といえば

カレーやシチュー、スープなどに入っている「あの葉っぱ」といえば、ご存じですね?

そう、仏名を「ローリエ」、スペイン又は英名を「ローレル」、ほかにも英名「ベイ」などといろいろな呼び方がありますが、和名「月桂樹」の葉です。馴染みのある料理用ハーブですね。

ローリエ ブーケガルニ 作り方

ローレルは、世界でもっとも使われているハーブのひとつだけあって、私がまだ子どもの頃に母が作るカレーの鍋にも入っていました。その後、私も家庭を持ち、ローリエをカレーやスープに長らく使ってきましたが、あまり使い方を知らずなんとなく使っていたので、その良さが今ひとつわかっていませんでした。

無意識にローリエをお皿に一緒に盛ってしまって、口の中に入ってきた時は「当たり!」などと笑っていましたが、その時の苦みはあまり美味しいとは言いがたい味でした。

そこで今回は、ハーブを育てて少しずつ暮らしに取り入れるようになってからの学びや実践の中で知った「ローリエの〝料理への美味しい使い方〟」をご紹介したいと思います。

ローリエは生葉、乾燥葉どちらを使う?

ローリエ ドライ フレッシュ どっちがいい

さてこのローリエですが、主に煮込み料理やスープ、炒め物、ピクルスの香りづけなどに使われます。

お店で手に入るのは乾燥葉なので一般的には乾燥葉を使うことが多いかもしれませんが、もしローリエの木をお持ちでしたら、生葉でも乾燥葉でもどちらを使ってもかまいません。

生葉はフレッシュな清涼感と少しの苦味を楽しみ、乾燥葉は爽やかさと香り豊かな甘い風味を楽しみます。

但し、春の若い柔らかい葉よりも、秋に剪定を兼ねて少し肉厚になった葉を収穫した方がオイルをよく含んでいるので香りが良いです。

ローリエの風味の引き出し方

ローリエの主な芳香成分は、油脂とアルコールによく溶けて水にはほとんど溶けません。

そのため、炒めものの場合は油をひいたフライパンにローリエを入れ、弱火でゆっくりと加熱して

香りを引き出し、油に香りを移してから食材と合わせるとよいでしょう。

例えば、塩をふって30分おいた青魚の切り身から出た水分をペーパーで拭き取って小麦粉を薄くまぶし、ローリエの香りが移った油で両面焼いてみてください。臭みの全くない爽やかなローリエ風味のソテーが手軽に美味しくできます。

ローリエ ダッチオーブン 料理

またスープなどの水ベース料理の場合、ローリエを調理の始めから使ってコトコトと長時間加熱することでじわじわと香り成分を引き出し、料理全体に行き渡らせることで風味付けができます。

同時に肉や魚などの食材の臭みを取り、上品な味に仕上げてくれます。

但し、長く煮すぎると苦味が強くなるので途中(または料理の仕上げ)で取り出すことをお忘れなく。

またローリエを使うときは、葉に切れ目を入れておくとさらに香りが強く出ます。

ピクルスを作る際には、ピクルス液を煮立たせる時に一緒に入れて漬け込むことで、爽やかな香りをプラスできます。

ブーケガルニを作りましょう

ブーケガルニ 作り方

ブーケガルニとは、フランス語で「香草の束」という意味です。
煮込み料理やスープの風味付けに用いるハーブミックスで、ローリエはブーケガルニに欠かせないハーブのひとつです。

ハーブは単体で使うよりも数種類組み合わせることにより風味が増すので、タイムやパセリ、セロリの茎と共にたこ糸で結んで煮込み鍋に入れて使います。(フレッシュブーケガルニ)

今回は冬用のドライブーケガルニの作り方をご紹介します。

ドライブーケガルニの作り方

【材料】1回分

・乾燥ローリエの葉(1枚)手で細かくちぎる
・タイム(小さじ1/2
・ローズマリー(小さじ1/2
・セロリシード(小さじ1/2
・ブラックペッパー(4粒)
・たこ糸、ガーゼ

ドライハーブ ブーケガルニ 作り方

【作り方】

材料をすべて細かく砕いてから、2重にしたガーゼの中央に置き、
てるてる坊主のようにタコ糸で縛ったら完成です。(お茶パックでも可)

ブーケガルニ 使い方

【使い方】

スープ、シチューなど煮込む前の水からブーケガルニを入れて煮ます。
煮すぎるとローリエやタイムからは苦味が出るので20分ほどで取り出しましょう。

素材にお肉を使うならクローブを足したり、魚介を使うならディルシードを足すとよいでしょう。
冬の煮込み料理やスープに、ブーケガルニを使ってハーブの風味を感じてみてください。

ブーケガルニ 使い方

ブーケガルニ 煮込み料理 使い方

 「ハーブで料理」のススメ

今回は、ハーブの中でも特に、身近な「ローリエの美味しい使い方」をご紹介しました。
たった1枚の葉っぱですが、使い方次第で料理の味に大きく左右します。

また、ハーブの香りに包まれながら料理をすることで、心も癒やされ、キッチンに立つのがきっと楽しくなります。
せっかくですから上手に使って「おいしいね!」の笑顔をいただきましょう!

参考文献
「ハーブのすべてがわかる事典」 特定非営利活動法人 ジャパンハーブソサエティー著
「スパイスの科学大図鑑」 スチュアート・ファリモンド著 辻静雄料理教育研究所監修

ハーブ料理 料理教室 ねもころくらし 愛知県

筆者:大西歩美
自身の経験を通して「育てたハーブを〝衣食住〟暮らしに活かす愉しさを多くの人に伝えたい」という想いから、ハーブ教室「ねもころ暮らし」を開始。
忙しい現代人だからこそ、自然を慈しみ、自分自身を大切にしながら暮らすことが「丁寧な暮らし」だと考え、それが家族にも波及して皆が笑顔になれたらハッピー♡
「食」をテーマにした『キッチンハーブの会』では、食材のおいしさを引き出すハーブの料理への使い方レッスンを開催中。

ホームページ:https://nemokoro-kurashi.com
インスタグラム:https://instagram.com/herb_nemokoro/
公式ライン:https://peraichi.com/landing_pages/view/nemokorokurashi
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