愛知県江南市のショッピングモール隣、住宅の一角にある白い可愛らしいカフェ。2017年10月にハーブ&スパイスのカフェをオープンされて3年目を迎えます。
Medi Cafe オーナー山田真代さんにフードコンサルタントのひらつかが、お店作りやハーブとスパイスの料理へ想いをお聞きしました。今回、前編と後編に分かれてお届けします。前編は、お店やお料理の想いとハーブとスパイスの関わりについて、後編はお店の紹介についてです。
実は、2年くらい前だったかインスタで見つけてずっと追っていたんです。なかなか伺う機会がなかったのですが今回お会いできて嬉しいです。
ハーブ&スパイスのカフェをしようと思ったキッカケはなんですか?
実は、私自身が精神的に病んで、引きこもっていた時期があったんです。その時にハーブティーを飲んだらすごく気持ちが楽になった経験から、なんかいいんじゃないかと思って、ハーブの勉強を始めました。
ハーブティーもとても良いけど、ご飯の中に取り入れる方が自然に食べられるし、カラダにとっても得をするというか…もっとカラダにいいよね。ということからお食事も楽しめるカフェにしたんです。
なので、オシャレなハーブカフェっていうよりも病んでる店主のハーブカフェというのがコンセプトでもあるんです(笑)
おひとりさまとかお疲れの人の居場所となったらいいなと思って。家も嫌ってなったときに居場所って意外となくて。
わたしが病んでた時期、賑やかなカフェにはハッピーな人がいっぱいいて辛いし、私自身もひとりでショッピングモールの隅っこで泣いてたことがあったんですね。だから、お店の作りもカウンター席を多めにしたりしているんです。
おひとりで来られてちょっと元気のない人とかとお話しされたりもするんですか。
そうですね、心のバランスを取ってくれるようなハーブティーをおすすめしたりしています。薬飲んだり、心療内科行ったりとか…私自身が経験あるので、人には言えないお悩みにも寄り添えるかなと思います。
SNSでもご自身の経験を赤裸々にお話しもされたりするんですね。
そうなんです(笑)。お店の運営としては賛否両論あると思うのですが、心身のお辛い方がなかなか自分から心療内科に行ってるとは、言えないと思うんですよね。
なので、自分の経験を発信して、気楽に来てもらってお話ししやすいようにしたいな…と思ってるんです。誰もがハッピーな状態ばかりではないし、疲れちゃうことなんてみんなあるんですよね。
そうですよね、お料理もハーブとスパイスがテーマということですが何か気をつけていることとかありますか。
ハーブもスパイスもですが、苦手意識が多い方がいらっしゃるんですけど、生姜とかニンニクだってスパイスだし、料理の中に自然に摂り入れるようなことをつねに考えています。
「使っているけど食べれるでしょ」っていう感じで、ここで食べたことで苦手意識を克服するキッカケになったらいいなと思います。
ハーブもスパイスも食材にいろんな作用があると思いますが、調理方法としてどのような活用をされていますか。
だいたいのお料理にハーブ入れているんですけど、味は主張しないけど実は入っていたりとか、風味付けとか色を付けるとか。調味料を使わなくてハーブでいけるのであれば、ハーブを使うとか。
例えば酸味を出したい時には、ハイビスカスとかコクを出すなら根っこ系のハーブを使うとか。出来るだけハーブやスパイスを使って風味を出すような工夫をしていますね。
食材のこだわりはありますか。
メインで使うお肉やお魚は国産に拘っています。野菜は自家製で、実家の父に協力してもらって作ってもらっています。私も日曜には必ず岐阜の畑へ行って収穫や、世話をしに行っています。自家製の野菜で間に合わないときは購入もしますが、その時も出来るだけ地元野菜を仕入れるようにしています。
自家製や地元野菜となると旬のものになりますね。季節によっては同じ野菜が続いたりとかもしますよね。
そうなんです。白菜ばかりとかキュウリが続くとか、今は大根が山盛りです(笑)。これも調理方法やスパイスで変化を出しています。そうすると、お客さんからこれどうやってやるのと聞かれたり、逆に教えてもらったりして会話が生まれたり、料理のバリエーションの幅も広がるので、それもいいのかなと思っています。
メニューが日替わりカレーとか気まぐれランチとありますが、スパイスの調合とか大変じゃないですか?
同じ味にするのが苦手なんです(笑)その日によってムラがありますし、いつも同じだと私自身が飽きてしまうし、いろいろやりたい気持ちも出てくるので日々実験です。
わたしが疲れていると辛くなったりもするし。食材によっても味の出方が変わってくるので、それはそれでいろんな味があってもいいのかなと思って。
気分やその日にある食材で山椒を入れて和風に仕上げたり、カルダモンを入れて洋風でホワイトカレーにしたりとかして、奇跡的にすごく美味しい!という日もあれば普通に美味しいという日もあるんですけど。
計らずにどんどんスパイスをいれていくので、再現も出来ないんですけどね(笑)
再現性がないことがすごく家庭的に感じられますね。これからどんなお店にしていきたいですか?
気軽にふらっと寄れるような「疲れちゃった、なんかある?」っていうような実家感覚みたいに来ていただけるお店にしたいですね。
わたしの実家は、野菜が出てきたり煮物があったりしたので。いっぱい野菜を食べていただいて、「今日はMediCafeで野菜食べたから、夜は手抜きしよう!」とか。お茶も飲んでいただいて、気持ちの面でも楽になってもらいたいですね。
レシピの余白とライブ感
MediCafeさんのお料理には、オーナーの山田さんご自身が心のバランスを崩した経験から、疲れた方に寄り添ったケアする力があります。
実家感覚とおっしゃるように、日替わりで季節やその日の気分で変わるメニューはまさに家庭料理であり、再現性のないライブ感、生きている実感が湧きます。常に食材やハーブとスパイスと対話し、山田さん独自のバランス感覚で、レシピに余白が生まれ、自由で楽しそうにお料理やお客様と会話される姿は、強さも感じました。
後編は、Medi Caféさんのこだわりのお料理の紹介をさせていただきます。
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https://yuyu-sousou.com/blogs/column/20210415_medicafe (2021/4/17追記)
MediCafe
愛知県江南市松竹町上野206−1
公式サイト:https://medi-cafe.info/
Instagram:@ medicafe.herb
ライター情報
ひらつかやよい フードビジネスコンサルタント
食と食をデザインするフードビジネスコンサルタント。株式会社 Coneru 代表
岐阜県大垣市を中心にシェアキッチンを運営。食を介した人の繋がりとシェアリングエコノミーについて研究。
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