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ハーブを使ったオイルで冬の乾燥対策を
肌の乾燥が気になる季節です。お風呂上りにしっかり保湿をしておかないと肌がさらに乾燥してカサカサになってしまうことも。 今回は、入浴後の保湿のタイミングや冬のケアに最適なハーブオイルとハーブオイルを使った保湿剤づくりをご紹介します。 お風呂上りの保湿は10分以内に 温泉療法専門医、早坂信哉先生の所属する研究チームが、入浴後の肌の水分量を計測する実験を行い、保湿ケアは入浴後何分までにするべきなのかを検証しました。 その結果、お風呂から出て10分後までは入浴前より皮膚水分が多いということがわかりました。そして、10分を超えると水分量は入浴前に戻り、さらに30分経過すると入浴前よりも減ってしまったとのこと。 皮膚科学では、皮膚の水分量が保たれているうちに保湿ケアをするべきとしているため、お風呂上りの保湿は10分以内にするのがベストなのです。 ハーブオイル(浸出油・インフューズドオイル) 植物オイルにハーブを浸して、脂溶性成分を抽出します。浸出油、インフューズドオイルとも言います。 煮沸した瓶に、ドライハーブとお好きな植物油(ホホバオイルやマカダミアナッツオイルなど)を入れ、直射日光の当たらない温かい場所に2週間ほど置いておきます。最低1日1回は瓶を振ってオイルを混ぜてください。2週間経過したら、コーヒーフィルターやガーゼなどを使い、ハーブを濾して完成です。 今回は、私のお気に入りでもある、紫根オイル、カレンデュラオイルと柚子オイルを作成しました。 この方法で抽出できる脂溶性成分には、 ・ビタミンD(肌の乾燥や肌荒れ保護) ・ビタミンE(脂質の酸化防止、老化防止など) ・カロテノイド系色素(皮膚や粘膜の保護・抗酸化作用) ・精油成分(芳香成分・心理作用) などがあり、お肌にとても良いことがわかります。 ドライハーブで作ったオイルは、主にマッサージオイルや手作り化粧品の材料として使用するのに適しています。 お風呂上りの肌に使用する場合は、オイルだけを塗るのではなく、化粧水やハーブウォーターなどと一緒に使用することをおすすめします。オイルは水分と一緒に使用することで、肌になじみやすくなり、肌がモチモチしますよ。タオルドライする前の濡れた身体に、オイルを塗っても大丈夫です。 ハーブオイルを使って保湿剤をつくろう ハーブオイルだけでも満足できるのですが、バームやクリームにすると、さらに使いやすくなります。とても簡単に手作りできますので、ぜひ試してみてください。 カレンデュラオイルとみつろうでバームづくり10ml(リップ容器2本分) カレンデュラオイル9ml、みつろう3g、精油1~2滴 1.カレンデュラオイルにみつろうを加え、みつろうを湯せんで溶かし混ぜ合わせます。(電子レンジを使用する場合、600ワットで1分~1分30秒) 2.容器に精油を入れて、みつろうを溶かしたオイルを加え、軽く混ぜ合わせます。 3.冷えて固まってきたら完成です。リップ容器を使用する場合は、そのまま固まるのを待ちます。 ※シアバターを使用する場合は、みつろう2g、シアバター1gでお試しください。しっとり柔らかめのバームになります。 乳化剤を使った紫根クリームづくり 紫根オイル20g、乳化ワックス(非加熱タイプ)5g、精製水75g(ハーバルウォーターでも可) 1.紫根オイルに、乳化ワックスを加え、20回ほど撹拌します。 2.よく混ざったら、精製水を加え、さらに20回ほど撹拌してください。クリーム状になったら完成です。...

「キムチ鍋は熱いほうが辛い!」 2021年ノーベル医学生理学賞・温度を感じるセンサーの発見
2021年ノーベル医学生理学賞は、温度を感じるセンサー(温度受容体)を発見したデビッド・ジュリアス博士と硬さや手触り等機械的刺激を感じるセンサー(触覚受容体)を発見したアーデム・パタプティアン博士が受賞しました。 キムチ鍋は苦手なバンダナ先生ですが、今回は、この温度に反応するセンサー(温度受容体:TRP:Transient receptor potential channel)が、実際に私たちの生活の中でどんなに大切な役割を果たしているかを実例とともに紹介します。 熱い湯に指を入れた時になぜ“熱い”と感じるのか?冷たい氷に触った時になぜ“冷たい”と感じるのか? 私たちは、四季折々、「冷たい・寒い(cold)」、「涼しい(cool)」、「暖かい(warm)」、「熱い・暑い(hot)」など,様々な温度を感じて過ごしており,意識的・無意識的にそれに対応しています。図2のように、外界の温度センサーの場合,感覚神経の末端が温度による刺激(熱い、冷たい)を電気信号(活動電位)に変換して、その情報が脳(中枢)へと伝達されます。 温度を感じる温度センサー(温度受容体:TRPV1)の発見 ジュリアス博士らは、最初,痛み、熱,触覚に反応する神経細胞の遺伝子を調べており,これに対応した数百万種類のDNA断片を準備し、1遺伝子ずつに,唐辛子の辛味成分カプサイシンを加えて細胞の応答を調べました(結構、研究者の仕事って、何回も同じ実験を繰り返す、じみな仕事なのです)。その結果、カプサイシンで活発な反応を示したのが TRPV1というたんぱく質(図1、2の赤色)の遺伝子でした(1997年発見)。 唐辛子(カプサイシン)のセンサーと温度(43℃以上)のセンサーは同じ温度感受性センサー(TRPV1) 図1のように、唐辛子成分のカプサイシンが温度センサー(TRPV1)に結合すると活性化され、ナトリウムイオンやカルシウムイオンが細胞内に流れ込み、電気信号が発生し(脱分極)、細胞が興奮して、脳に辛さが伝わります。 このTRPV1は、カプサイシンだけでなく、43℃以上の熱や痛み、酸でも反応することが分かりました。よって、唐辛子(カプサイシン)の熱感は、カプサイシンが43℃以上の温度を感知するTRPV1を活性化することによって起こります。すなわち、辛味のセンサーは、温度のセンサーでもあり、辛さのhotと熱さのhotは同じ仕組みで感じるわけです。 また、43℃という温度は、細胞が生きるか死ぬかの限界温度であり、43℃以上が痛みとなって感じられるのは、私たちが高熱による“危険”をさけるために大変都合よくできています。 その後、TRPV1と類似した温度センサーが図3のごとく多数発見されました。また、これらの温度センサーは、資料1にあるように様々なスパイス、植物・漢方薬の成分によっても活性化されます。料理やアロマで使用するスパイスは単なる香辛料としてだけでなく、温度センサーに作用することで、身体の生理作用(例:カプサイシンはTRPV1を活性化して糖質代謝を亢進する)にも影響することが明らかになってきました。 哺乳類では、冷たい温度から熱い温度までをカバーする各種温度感受性TRPセンサーが存在* *2004年,富永真琴:温度受容の分子機構-TRPチャネル温度センサー,日本薬理学雑誌 そして、温度刺激だけでなく様々な植物、スパイス・アロマ成分が温度感受性TRPセンサーを活性化することがわかりました。 よって、生姜や、ぺパーミントや、ローズマリーや、シナモンや、ワサビが、あたかも温度が変化したかのように感じさせるのです。 1) TRPV1:唐辛子の成分カプサイシン、生姜の成分ジンゲロール、酸、痛み、熱(43℃以上の温度を感受) 唐辛子を食べると、口の中の感覚神経に存在するTRPV1に辛み成分・カプサイシンが反応し、温度感覚と痛覚が刺激されるとともに、スパイスが持つ香りと相まって、スパイス独特の風味がもたらされ、それらを脳で統合しておいしさを感じます。(舌以外にあるTRPV1ではカプサイシンの刺激を辛味ではなく痛みとして感知します。) また、興味深いことに、43℃以上の熱刺激を感受するTRPV1を活性化するカプサイシンを食べると、熱産生(熱を作る)と熱放散(熱を逃がす)が同時に起こります。すなわち、カプサイシンは、エネルギー代謝を盛んにして熱を作り熱くなるとともに、顔が赤くなったり、汗をかいて熱を逃がしたりしているわけです。 【参考】辛味は味覚ではなく感覚です。辛味は、五味(甘味、酸味、苦味、塩味、うま味)には含まれません。これら5味は水溶性で舌にある味蕾で感じます。唐辛子の辛味・カプサイシンは脂溶性で、上皮細胞の下にある感覚神経のTRPV1に作用して辛味を感じます。 「甘味、酸味、苦味、塩味、うま味」はすぐ感じるが、辛味は後から感じる。 五味は水溶性で直ぐに味蕾に届き味を感じますが、辛味は脂溶性で温度感受性センサーTRPV1に届くまで少し時間がかかるので、少し後から辛味を感じます。「甘味、酸味、苦味、塩味、うま味」は水を飲むとすぐ味が消えるが、辛味は水を飲んでも消えません。五味は水溶性なので水で味が薄まりますが、カプサイシンは脂溶性なので水に溶けず、辛味が残ります。 2)TRPM8:ペパーミントの成分メントール、ローズマリーの成分シネオール、清涼感(25-28℃以下の温度を感受) ミントを食べると、ミントの成分・メントールが、口の中のTRPM8(28℃以下の温度の清涼感)を刺激し、スーと感じます。この時は、熱放散は抑えられ、熱産生が高まります。 3)TRPA1:ワサビの成分アリルイソチオシアネート、シナモンの成分シンナムアルデヒド、冷感(17℃以下の温度を感受) ワサビを食べると、ワサビ成分アリルイソチオシアネートがTRPA1(17℃以下の温度を感受)を刺激し、鼻をつく冷感を感じます。この時は、熱放散が抑えられ、熱産生が高まります。...

冬至のゆず湯で寒い冬を元気に乗り越えよう
2021年の冬至は12月22日(水)です。 以前、こどもの日と端午の節句。母に感謝し、菖蒲湯で邪気を祓おう – 湯癒草々 -お風呂とハーブのある暮らし-■https://yuyu-sousou.com/blogs/column/20210430column_shoubuyu にて、お風呂屋さん業界では、こどもの日の「菖蒲湯」と冬至の「ゆず湯」がお風呂の一大イベントである、という話をさせていただきましたが、今年もあっという間に年の瀬が近づき、ゆず湯の準備をする時季になりました。 「冬至にゆず湯に入ると1年中風邪をひかない」 とよくいわれていますが、その由来や言い伝え、ゆず湯の効果効能などについて、ご紹介したいと思います。 冬至とは 冬至とは、日本がある北半球で、1年で最も昼の時間が短い日(太陽の位置が1年で最も低くなる日)です。そのため、翌日からだんだん日が長くなっていくということで、冬至は「太陽の偉大なエネルギーが復活する日」といわれ、「一陽来復(いちようらいふく)」とも言われます。 「一陽来復」の意味は、陰が極まり陽が復すること、つまり、冬が終わりを告げ、春が再び訪れるということです。太陽のエネルギーが復活する日ということから「太陽が生まれ変わる日」ととらえ、冬至を境に運気が上昇に転じる、ともいわれます。 そんな1年でも大切な日に、運気をより呼び寄せるために、さまざまな慣習やしきたりがあるのです。 「ん」のつく食べ物で縁起を担ぐ 冬至の食べ物といえば岐阜では「いとこ煮」という、かぼちゃと小豆を煮たものを食べる習慣がありますが、冬至には「ん」のつくものを食べると運を呼び込めるといわれています。「ん」のつくものを運盛りといって、縁起を担いでいたんですね。もちろん、栄養をつけて寒い冬を乗り切ろうという、先人たちの生きる知恵でもあります。 運盛りの食べ物に「ん」が2つ付くと運も倍増すると考えられ、それらを「冬至の七種(ななくさ)」と呼んだりします。 【冬至の七種】 ・なんきん(南京) ※かぼちゃのこと ・れんこん(蓮根) ・にんじん(人参) ・ぎんなん(銀杏) ・きんかん(金柑) ・かんてん(寒天) ・うんどん(饂飩) ※うどんのこと 個人的に、日本のこうした言葉の「音」に注目したダジャレのような言い伝えや慣習が好きです。あらためて見ると笑ってしまうような由来でも、実は科学的に見ても理にかなっていたり。面白いですよね。 冬至の七種の中でも、かぼちゃは漢字で「南瓜」と書くことから、陰(北)から陽(南)に向かうという冬至にもっともふさわしい食べ物として重宝されました。かぼちゃにはビタミンAやカロチンが豊富なので、風邪予防にも効果的です。 かぼちゃの旬は夏じゃ無いの?と思われるかもしれませんが、かぼちゃは長期保存ができますので、これも冬に栄養をとるための先人たちの知恵なのです。 どうして冬至にゆず湯(柚子湯)に入るの? 冬至のゆず湯といえば、日本でもっとも有名なお風呂のイベントのひとつですね。冬至にゆず湯に入ると1年風邪を引かないといわれています。 ゆず(柚子)=「融通」がきく 冬至=「湯治」...

ジャムにも入浴剤にも。万能な"みかん"をおうちで丸ごと楽しもう!
こちらのコラムでは自分らしくナチュラルに、楽しく暮らすためのヒントをお伝えしています。 寒くなってきて柑橘類が出回るようになってきました。 さっそく我が家には、ご近所さんからみかんがたくさん届きましたよ。 (実際は写真の3倍ありました。笑) 冬は、同じようにみかんをたくさん頂く方も多いのではないでしょうか? 嬉しいですが、なかなか食べきれない・・・そんな時は長く楽しめるジャムにしちゃいましょう! 畑で採れたみかんは、市販のものと比べると大きさもまちまち、見た目もきれいとは言い難いですが、皮をむいてみると薄皮も柔らかくとっても美味しいみかんでした。 ちょっともったいないかな?と思いつつも、半分にカットしてミキサーに入れ、何度かに分けてしっかりとつぶします。 たっぷりのみかんジュースができました。 もちろん、このまま飲んでも美味しい! できたてのみかんジュースをグラス1杯分飲んでホッと一息、残りはジャムにしていきますよ。 今回、みかんの量に対して、半量のてんさい糖を加えました。 上白糖に比べて天然のミネラルやオリゴ糖なども含まれており、おなかに優しいコクのある甘さになります。 少しずつ加えて混ぜながら、中火でコトコト・・・。 ジャム作りは、この作っている過程がとても癒されるんですよね。 コトコトと煮込んでいる時、みかんの甘い香りが部屋に立ち込めて、なんとも言えない幸せな気分になります。 焦げないように時々かき混ぜながら、途中でアクをすくいましょう。 とろっとしてくるまで水分を飛ばす、この煮詰める時間は、とてもゆっくりしたまどろむような気持ちになります。 好きな音楽を聴きながら待ってもいいし、キッチンをいつもよりきちんと拭き掃除してもいいし、ジャムができあがるまで、甘い香りの中で身の回りのことをするのも楽しいですよ。 ツヤツヤと綺麗なジャムができあがりました! 完成したら煮沸したビンに詰めてあら熱を取って冷蔵庫へ。 タッパーなどに入れて小分けにしたら冷凍もできます。 さっそく、ナッツと一緒にヨーグルトに入れて食べてみました。 甘酸っぱくてとろんとしてて、甘味が凝縮されていて美味しい! 色合いもとても綺麗ですよね。 ...

「ハーブで料理」のススメ ローリエを美味しく使いましょう
ハーブにはたくさんの種類がありますが、特に料理に向くハーブのことを「キッチンハーブ」といいます。 キッチンハーブを料理に使うと、食材の臭みを消したり、風味がよくなり味に深みがでて、いつもの料理をレストランのような味にグレードアップさせることができます。また殺菌作用による防腐効果も期待できます。 最近では、近所のスーパーでもハーブコーナーが充実して、フレッシュやドライのハーブが手に入りやすくなりました。またコロナ禍の楽しみとして、ハーブを育て始めたという方も多くいらっしゃると思います。 キッチンハーブの代名詞といえば カレーやシチュー、スープなどに入っている「あの葉っぱ」といえば、ご存じですね? そう、仏名を「ローリエ」、スペイン又は英名を「ローレル」、ほかにも英名「ベイ」などといろいろな呼び方がありますが、和名「月桂樹」の葉です。馴染みのある料理用ハーブですね。 ローレルは、世界でもっとも使われているハーブのひとつだけあって、私がまだ子どもの頃に母が作るカレーの鍋にも入っていました。その後、私も家庭を持ち、ローリエをカレーやスープに長らく使ってきましたが、あまり使い方を知らずなんとなく使っていたので、その良さが今ひとつわかっていませんでした。 無意識にローリエをお皿に一緒に盛ってしまって、口の中に入ってきた時は「当たり!」などと笑っていましたが、その時の苦みはあまり美味しいとは言いがたい味でした。 そこで今回は、ハーブを育てて少しずつ暮らしに取り入れるようになってからの学びや実践の中で知った「ローリエの〝料理への美味しい使い方〟」をご紹介したいと思います。 ローリエは生葉、乾燥葉どちらを使う? さてこのローリエですが、主に煮込み料理やスープ、炒め物、ピクルスの香りづけなどに使われます。 お店で手に入るのは乾燥葉なので一般的には乾燥葉を使うことが多いかもしれませんが、もしローリエの木をお持ちでしたら、生葉でも乾燥葉でもどちらを使ってもかまいません。 生葉はフレッシュな清涼感と少しの苦味を楽しみ、乾燥葉は爽やかさと香り豊かな甘い風味を楽しみます。 但し、春の若い柔らかい葉よりも、秋に剪定を兼ねて少し肉厚になった葉を収穫した方がオイルをよく含んでいるので香りが良いです。 ローリエの風味の引き出し方 ローリエの主な芳香成分は、油脂とアルコールによく溶けて水にはほとんど溶けません。 そのため、炒めものの場合は油をひいたフライパンにローリエを入れ、弱火でゆっくりと加熱して 香りを引き出し、油に香りを移してから食材と合わせるとよいでしょう。 例えば、塩をふって30分おいた青魚の切り身から出た水分をペーパーで拭き取って小麦粉を薄くまぶし、ローリエの香りが移った油で両面焼いてみてください。臭みの全くない爽やかなローリエ風味のソテーが手軽に美味しくできます。 またスープなどの水ベース料理の場合、ローリエを調理の始めから使ってコトコトと長時間加熱することでじわじわと香り成分を引き出し、料理全体に行き渡らせることで風味付けができます。 同時に肉や魚などの食材の臭みを取り、上品な味に仕上げてくれます。 但し、長く煮すぎると苦味が強くなるので途中(または料理の仕上げ)で取り出すことをお忘れなく。 またローリエを使うときは、葉に切れ目を入れておくとさらに香りが強く出ます。 ピクルスを作る際には、ピクルス液を煮立たせる時に一緒に入れて漬け込むことで、爽やかな香りをプラスできます。 ブーケガルニを作りましょう ブーケガルニとは、フランス語で「香草の束」という意味です。煮込み料理やスープの風味付けに用いるハーブミックスで、ローリエはブーケガルニに欠かせないハーブのひとつです。 ハーブは単体で使うよりも数種類組み合わせることにより風味が増すので、タイムやパセリ、セロリの茎と共にたこ糸で結んで煮込み鍋に入れて使います。(フレッシュブーケガルニ) 今回は冬用のドライブーケガルニの作り方をご紹介します。 ドライブーケガルニの作り方 【材料】1回分...

クロモジで冬を元気に過ごしませんか
この頃、「クロモジ」という植物が気になっている方、いらっしゃいませんか? 昔から活用されてきたクロモジですが、様々な研究が進み、今大注目の植物。 そして、冬を元気に過ごすのに活用できる、ぴったりな和ハーブのひとつです。一体どんな植物なのか、少しご紹介させていただきたいと思います。 クロモジとは? クロモジはクスノキ科の落葉低木。北海道南部、本州、四国、九州の山地、中国地方などアジアにも自生している植物です。 若い枝に地衣類の一種が付着して黒い模様があるのが特徴で、それを文字に見立てたことから、クロモジ(黒文字)という名前がついたといわれています。また枝葉を切ったり、折ったりすると、クロモジ特有のスーッとしたいい香りがするのも見分けるポイント。 クロモジは日陰で沢沿いなどの湿った森で出会うことが多く、林業の下草刈りや伐採の時などには、切られてしまうほど多く生えているところもありますが、全く生えていない森も沢山あります。 日本人とクロモジ クロモジは昔から日本では欠かせない植物であり、様々なものに活用されてきました。 生薬:生薬名は釣樟(ちょうしょう)または烏樟(うしょう)といい、芳香性健胃薬や急性胃腸カタルや脚気などに根皮を乾燥したものを使うそうです。 楊枝:茶席や和菓子をいただく時に使用する、皮付きの高級楊枝とクロモジ! 入浴剤:昔、山で作業をする人は山からクロモジを採ってきて、お風呂に入れていたという話があります。神経痛や肩こり、腰痛に加え、体を温める効果もあるので冷え症にもよいといわれています。 油:昔は油を採取し、石鹸や化粧品の香料として、国内外で使用されてきたそうです。 歯ブラシ:昔、宮中に仕える女房(女官)が、皮を残して先の方を砕いて稲穂のようにして活用したといわれています。 かんじき:東北地方の山岳地帯で狩猟生活を送るマタギたちは、カンジキ作りで余ったクロモジの枝を蒸出し、薬草茶として飲んでいたそうです。 クロモジの精油(アロマオイル) 和精油の代表として大注目のクロモジ精油。林業組合が大学と共同研究するなどして、全国各地で作られ、販売されています。地域によって、クロモジの種類や成分もちがうため、香りも異なるので、香りを比べるのもおすすめです。 成分:クロモジ精油はゲラニオールやシネロール、リナロールという成分が主な成分であることが分かっています。リナロールは、鎮静、抗不安、抗菌、抗炎症作用などが知られており、ラベンダーやスイートオレンジなどにも含まれている親しみやすい香りの成分です。 精油の活用方法 バスボム身体をあたため、心をリラックスするクロモジ精油は寒い冬のお風呂にぴったり!重曹とクエン酸を2:1の割合で混ぜ合わせ、バスボムや入浴剤を作って、そこに精油を数滴垂らして、お風呂に入れます。クロモジの香りと効能が楽しめるバスタイム、いかがでしょう。 クリームクロモジ精油はスキンケアにも大活躍の精油。お肌をしっとりさせる効果もあるので、自家製の蜜蝋クリームやシアバタークリームを作る時に入れて使います。ハンドクリームはもちろん、フェイスクリームやボディークリーム、ヘアケアにも最適。癒しの香りのクリームは手放せません。 化粧水自家製化粧水を作る時に、グリセリンや薬草エキスにクロモジ精油を溶かして使います。化粧水には精油だけでなく、クロモジの芳香蒸留水(アロマウォーター、ハーブウォーター)もおすすめ。芳香蒸留水だけでもさっぱりした使い心地で、化粧水としても使うことができます。 (画像:クロモジの蒸留) マスクスプレーリフレッシュ効果も抗菌効果もあるクロモジ精油はマスクスプレーにも最適。自家製のアルコールスプレーに入れて、マスクにシュシュッ。快適なマスク生活が送れることでしょう。 アロマディフューザーアロマディフューザーに入れて使うと、消臭作用や免疫力アップにもなり、お部屋がクロモジの香りに包まれて、なんとも心安らぐ空間に!安眠作用もあるため、眠る時に焚くのもおすすめです。 クロモジ茶 クロモジ茶の葉っぱの場合はティーポットで淹れられますが、枝は細かく切って煮出すとしっかり香りも味も楽しめます。枝葉だけでなく、春先に咲く、かわいい黄色い花も実はお茶になります。優しい香りのいいお茶になるので、お花を見つけたら、ちょっと頂いてみてください。生でも乾燥でも数個をカップに入れて、お湯をそそぐだけ。見た目もかわいい特別なお茶になります。 そして、冬におすすめなのが、身体があたたまり、ほっと一息できる「チャイ」。枝を1時間ほど水で煮出し、同じ量の牛乳や豆乳を入れて、蜂蜜やキビ砂糖などで甘味をつけます。最後に葉っぱも入れて、沸騰しないように煮て出来上がり。クロモジだけでも、ショウガやほかのスパイスが入っているようで、味わい深く、リラックス効果も抜群!風邪の引き始めやぐっすり眠りたい時にも是非飲んでみてください。 また、やかんやお鍋にクロモジの枝を入れて、ストーブにかけておくと、いつでもクロモジ茶が飲めるのと同時に、クロモジのいい香りがお部屋に立ち込めて、風邪予防にもなるアロマ加湿器がわりになります。 クロモジ茶を濃く煮出したものをお風呂に入れると入浴剤にもなりますよ。...