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ジャーマンカモミール カモミール

心にも身体にも優しいハーブ「カモミール」

カモミールとは カモミールは世界中で親しまれているハーブのひとつ。りんごのような甘い香りに癒される方も多いと思います。 ヨーロッパでは「マザーハーブ(母の薬草)」とも呼ばれ、イギリスの童話「ピーターラビット」の中では、興奮して寝付けないピーターに、お母さんがカミツレ草(カモミール)のお茶を飲ませるシーンが描かれています。カモミールはとても優しいハーブなので、お子さまから高齢の方まで幅広く活用できます。 カモミールはヨーロッパ原産ですが、今では世界中のいたるところで栽培されています。岐阜県大垣市もカモミールの産地として有名です。 花の香りがリンゴに似ていることからギリシャ語で「地上にあるリンゴ」という意味の「カミツレ」と名付けられました。 日本に入ってきたのは、江戸時代末期。当時、幕府がオランダより60種類ほどの薬草を取り寄せている記録が残っており、その中にカモミールも含まれていたようです。 日本で栽培されはじめたのは明治の初めごろで、明治19年に制定された「日本漢方薬局」には「カミルレ」として記載されています。 カモミールには様々な種類がありますが、メディカルハーブとして利用されるものは2種類。ジャーマンカモミールとローマンカモミールです。 ジャーマンカモミール キク科の1年草で、太陽に向かって上に伸びます。小さく可愛い花は見ているだけでも癒されますが、りんごのような甘い香りはリラックスな気分をもたらしてくれます。フレッシュ、ドライともに、ハーブティーとして、また天然の入浴剤としても活躍します。 ローマンカモミール キク科の多年草で、横に這うように育ちます。踏みつけにも強く、香りの芝と表現されることもあります。 ジャーマンと同じ白い花が咲きますが、花のサイズはジャーマンよりも少し大きめ。花の数はジャーマンよりも少なめです。ローマンカモミールは、花だけでなく葉や茎にも香りがあるため、全草を使用します。ハーブティーにすると苦みを感じるため、アロマテラピーで使用する方が多いようです。 カモミールの私たちにとっていいこと カモミールは古くから薬として知られ、エジプトではマラリアの薬として使われていました。イギリスでは薬用として栽培され、ハーブティーにして服用し、発汗・解熱・健胃・強壮など、家庭薬として利用されていました。 日本では、明治3年に出された「和漢薬用植物」にカミツレ花として、「採暖・発汗・駆風薬とする、浴湯として多量使用される」と記載されており、薬用として使用されたことが残されています。 カモミールの主な作用は、心を穏やかにさせるとともに、チクチクしたお腹の調子や眠れない夜などによいとされています。また、手足の冷たさや女性特有のカラダの不調などにも用いられます。(参照:メディカルハーブ協会ハーバルセラピストコース・ハーブ各論) カモミールはキク科の植物です。ブタクサなどキク科のアレルギーをお持ちの方はご注意ください。 カモミールの育て方 比較的育てやすく、種まきからでもチャレンジしやすいハーブです。種まきは、春か秋にしますが、秋まきの方がしっかりとした苗に育ちます。種はとても軽いので、まいた後は軽く土をかぶせます。 植つけ地植えでもプランターでもどちらでも育てられます。日当たりの良い場所を好みますが、暑さには弱いため、直射日光の当たらない場所を選ぶとよいでしょう。また、用土は、市販のハーブ用か水はけのよい培養土を選ぶとよいでしょう。 管理土の表面が乾いてきたら水をたっぷりと与えます。プランターでの栽培は、乾燥しすぎない程度に水はけを良くすることが大切です。肥料は、与えすぎると香りがなくなるため、控えめにした方がよいそうです。元肥だけでも十分に育ちます。開花は4月~6月ごろ。こまめに花を摘み取ると、花の開花期間が長くなり、たくさん楽しむことができます。収穫は、午前中の時間帯が望ましいです。開花後、花びらが反り返る前に収穫しましょう。 アブラムシが付きやすいので、雨が続く場合や湿りやすい状態には要注意です。その際は、枝葉を適度に間引くなどして、風通しを良くするとよいでしょう。また、チッソが多い肥料を与えるとアブラムシが付きやすくなりますので注意しましょう。 ローマンカモミールの夏越し、冬越し梅雨から夏場にかけて蒸れて株元が痛みがちなので、梅雨前に刈り込んでおくとよいでしょう。耐寒性があるため、特に冬越しの作業はありません。しかしながら、次の開花に向けて、冬の間に刈り込んでおく、大きくなった株は株分けする、鉢替えなどの備えがあるとよいでしょう。 カモミールの活用法 ハーブティー 一番のおすすめは、ハーブティーです。開花の季節には、ぜひフレッシュカモミールティーを楽しみたいですね。 ジャーマンカモミールだけでも美味しいのですが、ジャーマンカモミールに少しのミント、セージを入れるブレンドで爽やかなハーブティーになります。また、ドライハーブを使用する場合は、カモミールミルクティーにするのも美味しいです。 ジャーマンカモミールミルクティーの作り方 ・ドライカモミール 3~4g程度(ティーバックの場合は2袋)・お湯 100~150ml・牛乳(豆乳でも)300ml・はちみつ(お好みで)・シナモンパウダー(お好みで) ...

心にも身体にも優しいハーブ「カモミール」

カモミールとは カモミールは世界中で親しまれているハーブのひとつ。り...

4月~5月が旬の和ハーブ~カキドオシ&スギナ~

4月~5月が旬の和ハーブ~カキドオシ&スギナ~

春爛漫の季節!自然の中にでかけて、野草を摘んでみたいなと思う方も多いかもしれません。 今回は、そんな時におすすめの和ハーブを2つご紹介させていただきたいと思います。 1つ目は香りがよく、和ハーブらしい野草「カキドオシ」を、2つ目はご存じの方も多く、雑草として苦労されている方もいるかもしれない「スギナ」です。 カキドオシとは? 漢字で書くと「垣通し」。シソ科の多年草で、日本全土の日の当たる路傍や山野に自生しています。乾燥が好きではないので、適度に湿った土地や半日陰でよく育っているのを見かけることが多いです。 生薬名をレンセンソウ「連銭草」といい、民間薬として日本では昔から糖尿病や腎臓病に使われてきたようですが、別名「カントリソウ(癇取草)」といわれるように、こどもの疳の虫にもよいといわれています。最近では、血糖降下作用があることがわかり、注目されている薬草です。 ヨーロッパでも古くから民間薬として使われていたそうで、日本では斑入りの葉の種類が「グレコマ」として園芸品種として売られているのをご覧になった方もいるかもしれません。 カキドオシの特徴・見分け方 1.葉や茎を切って、香りを確認しましょう!洋ハーブのような香りがします。 2.茎を触ってみましょう!シソ科らしく、茎の断面が四角なので、指で触っても四角が感じられます。 3.花がつく頃は5~20cmほどの高さに直立しますが、「垣通し」の名がついたように、徐々につる状になって、垣根を通すぐらい、地をはいながら伸びます。 4.対生した葉の縁は波型に浅い鋸歯があり、柔らかく、しわがあって毛が生えています。丸い葉が連続してついている様子が生薬名の「連銭草」の由来になったそうです。 5.4月に咲く花の色は薄い紫から淡紅紫色で、唇形。萼は筒状なのが特徴のかわいらしい花です。 カキドオシの活用方法 採取時季は葉や茎が硬すぎない、4~5月がよいですが、生えている時季ならいつでも収穫できます。カキドオシは香りがよいので、お茶や食べるだけでなく、様々な活用方法があるので、興味のあるものからお試しください。 ・お茶カキドオシの薬効をとりいれやすく、手軽に香りを楽しむなら、やっぱりお茶。さっと洗って、フレッシュのままお湯を注げば、香り豊かなフレッシュティーに!生のカキドオシを柑橘類のスライスなどと一緒に水に入れ、数時間おけば、さわやかなデトックスウォーターの出来上がり!洗ってから日陰干しで、乾燥させたものを保存しておけば、いつでもお茶として楽しめます。 ・お料理カキドオシは西洋ハーブのような香りがあるので、洋食にぴったり!フレッシュでも熱を加えてもバジルのように使うと、美味しくいただくことができます。特にペペロンチーノ、ジェノベーゼ風ペースト、ハーブバター、ハーブチーズ、天ぷらなどがおすすめ。魚料理や肉料理のつけあわせにしても、ポイントになりかわいく、香りもよいです。 ・入浴剤日々の疲れやリラックスもできるといわれています。 ・アイピロー前回、ご紹介した「アイピロー」(目の疲れにぴったり!和ハーブ香るアイピロー – 湯癒草々 -お風呂とハーブのある暮らし- (yuyu-sousou.com))の記事でも紹介させていただいたように、乾燥したカキドオシの香りや薬効を活かして、アイピローに入れるハーブとしてご利用いただけます。 スギナとは? 漢字で書くと「杉菜」。夏緑性シダ植物でトクサ科の多年草。ご存じのとおり、日本各地あちこちに生えています。日本だけでなく、北半球の暖温地域に広く分布しているそうで、私もスイスで見たことがあります。スギナはどなたでもご存じかと思っていましたが、講座をしていると20人に1人ぐらいはスギナを見たことがない方もいらっしゃいます。どこにでもありそうですが、都会ではスギナは見かけないので、知らない方がいてもおかしくないですね・・・。 生薬名はモンケイ「問荊」といい、利尿作用などがあると言われており民間薬として使われてきたようです。“雑草”として困った草だと思われている方は特に驚かれるのですが、近年はミネラルの豊富さや、水溶性ケイ素も注目されており、お茶はもちろん、美容にもよいサプリとしても販売されています。 カルシウムはほうれん草の155倍、リン・カリウムは5倍、マグネシウムは3倍ともいわれています。その姿形から、英名では「ホーステイル」と呼ばれ、ハーブとして扱われているので、「ホーステイルティー」としても売られています。 ツクシとの関係 前の年、スギナがつくった栄養分がでんぷんとなって、くきが変化した地下茎(ちかけい)にたくわえられています。この地下茎の栄養を使って出てくるのが、ツクシやスギナです。 栄養茎をスギナ(杉菜)、胞子茎はツクシ(土筆)と呼ばれます。地面に落ちた胞子から芽が出て、「前葉体(ぜんようたい)」といい、小さなコケのような植物になります。この前葉体のオスとメスの卵と精子が受精して、生まれた子どもがスギナとして育ちます。...

4月~5月が旬の和ハーブ~カキドオシ&スギナ~

春爛漫の季節!自然の中にでかけて、野草を摘んでみたいなと思う方も多いか...

ミントを様々に使いこなしましょう

ミントを様々に使いこなしましょう

“春”がやってきました。 みなさんのまわりでも様々な植物が芽吹き、花を咲かせはじめていることと思います。その中にそろそろミントの葉も見つけることができるのではないでしょうか。 旺盛な繁殖力のため、ガーデナーには嫌われがちなミントですが、多くの種類があり、それぞれ用途を持つ有用植物です。今回はこのミントを取り上げたいと思います。 メディカルハーブとして 人へとはたらきかける力が高いのは、なんといってもペパーミント。精油を多く含み、古来より医療に用いられてきました。精油の主成分はメントール、ミントの入浴剤やアロマオイルを入れたお風呂から上がると、ひんやりして体感温度がスーッと下がります。けれども実際には体温が下がっているわけではありません。 人には「感覚神経」と呼ばれる温度を感知するセンサーのようなものがあり、ミントのメントール成分はその冷感神経を刺激して、冷たさを感じさせます。(ちなみに唐辛子に含まれるカプサイシンはその逆、熱さを感じる神経を刺激します)心も体も爽やかにスッキリさせたい、夏の入浴に役立てて下さい。 お茶にした時には、ルチノシルルテオリンという成分が溶け出します。季節の変わり目のグズグズで困っている方にペパーミントティーを淹れると「久しぶりに楽になった」ととても喜ばれました。他にも健康維持やリフレッシュなどにもぜひペパーミントティーを淹れてみてください。 昭和薬科大とロッテ中央研究所の研究により病原性大腸菌0157に対し、強い殺菌力を持つことも明らかにされています。アルコールスプレーにペパーミント葉を漬けこんでおけば、シュッとした時に消毒、臭い消しと共に、爽やかな香りが広がり、場が浄化され清浄な空気が満ちてきます。 リフレッシュとリラックス両面の側面を持つことから、ストレス緩和はもちろん、仕事中の眠気覚ましや気持ちの切り替えが上手くいかない時に、わたし自身ずいぶんペパーミントティーに助けられてきました。何より美味しい!まず1つハーブをストックするならば、ペパーミントがおすすめです。 その他のミント 日本ハッカ我が国のミント。特徴的なハッカ脳が含まれる他、メントールも多く含まれるので、清涼感がより強く感じられます。日本薬局方ハッカ油はドラッグストアにも並んでいるので、掃除にリフレッシュに活用しましょう。 アップルミントフルーティーな香り。サラダやドリンクのトッピングに向く。 スペアミントティーだけでなく料理にも使いやすい。意外にもメントールの含有量は少ない。ガムの香料として使われている。 パイナップルミント斑入りミント。寄せ植えにも向く。他のミントと比べると繁殖力は弱めで育てやすい。 ブラックペパーミント香りが強いのでリース作りの材料とすると良い。ティーも美味しい。 育て方どのような環境でも育ちますが、夏の高温多湿には弱く、また強い乾燥も苦手なので、プランターの場合は水切れに注意が必要。庭では根が広がり過ぎないように育てます。底を抜いた鉢を庭に埋め、その中で育てると良いでしょう。 採取時期花の咲く前、6月から7月初旬が摘み頃です。花が咲くと爽やかさやコク・甘味を呈する香気成分が減り、逆に苦味やカビのような臭いを発する成分が増えてきます。そうなるともう使えません。収穫の時期を逃さないようにして下さい。有効成分を保つため、収穫後はエアコンの風などを利用して手早くドライにしましょう。 活用法ハーブティードライ葉1~2gに対し熱湯150~200ccを注いで5分蒸らす。 チンキ剤ガラス瓶に乾燥葉を全体の容量の1/3ほど入れて、ウォッカまたはホワイトリカーで満たす。(フレッシュを使う場合は容器の2/3以上たっぷり漬ける)毎日ふり混ぜて2週間後に濾し、エキス剤をスポイト容器に入れる。・うがいやマウスウォッシュとしてコップに1~2滴落として使う。・お茶に2~3滴混ぜて飲む。・チンキ剤10mlを精製水40mlで薄めるとデオドラント剤となります。爽やかで心も肌もすっきり。 各国での使われ方 世界中の温暖な地域で古くから活用されているミント。その使い方をレシピと共にご紹介します。 キューバより~モヒート 日本でも人気を博したモヒートはキューバ発祥のカクテル。イエルバ・ブエナという種類のミントが使われます。この頃はモヒートミントとして苗が販売されていることもあるので、目にされている方も多いのでは。文豪ヘミングウェイも愛したこのカクテルは「ホワイトラム」を使い、砂糖はサトウキビから作られた砂糖を使うと間違いなく美味しく仕上がります。 ホワイトラム 45cc (アルコール不可の方は無しにしてOK)ライム 1/4~1/2個ミント(イエルバ・ブエナ またはスペアミント)たっぷり砂糖 大さじ1炭酸水 適量適量クラッシュした氷……適量 ①ロンググラスに、ライムを搾り、砂糖・ラムを加えてよく混ぜて砂糖を溶かす。②グラスいっぱいの氷を加え、細かくしたミントを入れてから炭酸水を注ぐ。 (好みによりミントをつぶす)③全体をよく混ぜてからミントの葉を飾る。 英国より~ミントソース 羊肉の香りを引き立てつつ、ほど良くクセを消してくれることから、イギリスでは羊肉のソースとして使われます。 ①羊肉に塩・コショウを振って、オリーブ油を散らし230℃程のオーブンで10分程焼く。②小鍋に水・白ワインビネガー:各大さじ2 砂糖:小さじ2を煮立て火を止め、冷ます。③食べる直前にスペアミント5~8gを刻んで、レモン汁 約1/2個分と共に②に混ぜて、羊肉のローストに添える。  ...

ミントを様々に使いこなしましょう

“春”がやってきました。 みなさんのまわりでも様々な植物が芽吹き、花を...

「ハーブで料理のススメ」簡単!使いやすい!ルッコラを種から育てましょう

「ハーブで料理のススメ」簡単!使いやすい!ルッコラを種から育てましょう

ハーブで料理のススメ②  まだまだ寒い日もありますが、少しずつ日も長くなり、穏やかな日差しを感じるようになりました。 今年の春は、ハーブの種まきに挑戦してみませんか? 「種まき」というとちょっと面倒だと思うかもしれませんが、種から育てる方が向いているキッチンハーブのひとつが「ルッコラ」です。 ルッコラは発芽率が高く、生長が早く育てやすいので初心者の方にもおすすめです。 種をまいてから1ヵ月くらいで収穫ができます。ちょこちょこ摘んでは料理に活用できる使い方に困らないハーブで便利です。鮮やかなグリーンが食卓を彩ってくれますよ。 ゴマ風味でおいしいヘルシー! ルッコラ(伊)は、地中海沿岸原産のアブラナ科の一年草で、ロケット(英)とも呼ばれる葉野菜のハーブです。 ゴマのような香り、ピリッとした辛味、ほのかな苦味が特徴で、サラダや脂の多い肉料理などに添えて一緒に食べるとお口がさっぱりします。 日に当たって硬くなった葉は加熱して、おひたしや炒め物、スープなどに使ってもいいですね。 食べておいしいルッコラは栄養価が高く、ビタミンCも豊富です。日差しが気になる春~夏にかけてルッコラを食べることで内からのお肌にも力を与えてくれます、苦味成分のイソチオシアネートは、健康に役立つさまざまな機能性を秘めているとして広く注目を集めているそうです。 ハクモクレンの花が咲いたら   名古屋で3月中旬頃、銀色の毛に覆われたハクモクレンのつぼみが花開く姿は、青空に白が映えてとても優雅です。街路樹や公園、ご家庭のお庭、あちこちで見かけるのですぐに気がつきますが、1年の間で注目されるのはほんの一瞬。 この時を見逃さずハクモクレンの花が咲いたら、ルッコラの種をまきましょう。この景色も私にとっては、桜に負けず劣らず魅力的で大好きな景色です。 ルッコラの種まき 使用土:市販の野菜用培養土(有機)発芽温度:15~25℃/生育温度:15~25℃まき方:プランターにすじまき/鉢にばらまき/直まき ルッコラは移植を嫌うので、直播きかプランターや鉢に種まきするとよいでしょう。 プランターの場合、底に赤玉土(大粒)、その上に培養土を入れて瓶のふたなどを使って平らにならし、土の表面に割り箸や指で筋状の浅めの溝を作ります。筋と筋の間は10~15㎝の間隔を開けます。 溝の中に種を1㎝間隔に均等にまき、溝の両側の土を寄せて薄く(5mm)表土をかけ、軽く土をおさえて目の細かいジョウロで種が流れないよう、やさしく水をかけましょう。 ルッコラの種は「好光性種子」といって、発芽のときに光を欲しがります。土深く植えてしまうと生長が悪くなったり、発芽しない場合もあります。 プランターは明るい場所に置いて、発芽して根が育つまでは水やりをして常に土を湿らせておくことが大切です。 食べながら育てましょう 気温が15℃以上あれば数日で発芽します。日なたで育てて、水やりは土が乾いたらたっぷりとやさしく与えます。 隣の葉と触れ合うようになったら、丈夫そうな芽を残して3㎝間隔になるように「1回目の間引き」をします。間引きは芽を引っこ抜くと、隣の株の根を傷めるので地際(地面の際)で、はさみでカットすると良いでしょう。カットした間引き菜もお味噌汁に浮かべて食べることができます。小さくてもちゃんとゴマの風味が楽しめますよ! 「2回目の間引き」は、本場が4、5枚になったら、5~7㎝間隔になるようにします。 葉の長さが15㎝以上になったら、外側の葉から順に3~4枚ずつ摘み取って収穫します。こうすることで、中心から新しい葉が出るのでしばらくの間収穫を楽しめます。 ルッコラはたくさん収穫するので、適宜追肥もしてあげましょう。 また種は袋にたくさん入っているので一度に全部まくよりも、3~7月の間、また秋まきの9~10月の間など段階的に種まきすると、収穫量も安定して長期間収穫することができます。 温暖な地域では、ゴールデンウィークを過ぎたころから、アブラムシ・ハモグリバエ・イモムシ・ヨトウムシ、うどん粉病などの病害虫が発生しやすくなるので対策が必要です。その前に株ごと収穫してしまうのもひとつの方法です。...

「ハーブで料理のススメ」簡単!使いやすい!ルッコラを種から育てましょう

ハーブで料理のススメ②  まだまだ寒い日もありますが、少しずつ日も長く...

インフューズドオイルを使った保湿クリームの作り方

ハーブを使ったオイルで冬の乾燥対策を

肌の乾燥が気になる季節です。お風呂上りにしっかり保湿をしておかないと肌がさらに乾燥してカサカサになってしまうことも。 今回は、入浴後の保湿のタイミングや冬のケアに最適なハーブオイルとハーブオイルを使った保湿剤づくりをご紹介します。 お風呂上りの保湿は10分以内に 温泉療法専門医、早坂信哉先生の所属する研究チームが、入浴後の肌の水分量を計測する実験を行い、保湿ケアは入浴後何分までにするべきなのかを検証しました。 その結果、お風呂から出て10分後までは入浴前より皮膚水分が多いということがわかりました。そして、10分を超えると水分量は入浴前に戻り、さらに30分経過すると入浴前よりも減ってしまったとのこと。 皮膚科学では、皮膚の水分量が保たれているうちに保湿ケアをするべきとしているため、お風呂上りの保湿は10分以内にするのがベストなのです。 ハーブオイル(浸出油・インフューズドオイル) 植物オイルにハーブを浸して、脂溶性成分を抽出します。浸出油、インフューズドオイルとも言います。 煮沸した瓶に、ドライハーブとお好きな植物油(ホホバオイルやマカダミアナッツオイルなど)を入れ、直射日光の当たらない温かい場所に2週間ほど置いておきます。最低1日1回は瓶を振ってオイルを混ぜてください。2週間経過したら、コーヒーフィルターやガーゼなどを使い、ハーブを濾して完成です。 今回は、私のお気に入りでもある、紫根オイル、カレンデュラオイルと柚子オイルを作成しました。 この方法で抽出できる脂溶性成分には、 ・ビタミンD(肌の乾燥や肌荒れ保護) ・ビタミンE(脂質の酸化防止、老化防止など) ・カロテノイド系色素(皮膚や粘膜の保護・抗酸化作用) ・精油成分(芳香成分・心理作用) などがあり、お肌にとても良いことがわかります。 ドライハーブで作ったオイルは、主にマッサージオイルや手作り化粧品の材料として使用するのに適しています。 お風呂上りの肌に使用する場合は、オイルだけを塗るのではなく、化粧水やハーブウォーターなどと一緒に使用することをおすすめします。オイルは水分と一緒に使用することで、肌になじみやすくなり、肌がモチモチしますよ。タオルドライする前の濡れた身体に、オイルを塗っても大丈夫です。 ハーブオイルを使って保湿剤をつくろう ハーブオイルだけでも満足できるのですが、バームやクリームにすると、さらに使いやすくなります。とても簡単に手作りできますので、ぜひ試してみてください。 カレンデュラオイルとみつろうでバームづくり10ml(リップ容器2本分) カレンデュラオイル9ml、みつろう3g、精油1~2滴 1.カレンデュラオイルにみつろうを加え、みつろうを湯せんで溶かし混ぜ合わせます。(電子レンジを使用する場合、600ワットで1分~1分30秒) 2.容器に精油を入れて、みつろうを溶かしたオイルを加え、軽く混ぜ合わせます。 3.冷えて固まってきたら完成です。リップ容器を使用する場合は、そのまま固まるのを待ちます。 ※シアバターを使用する場合は、みつろう2g、シアバター1gでお試しください。しっとり柔らかめのバームになります。 乳化剤を使った紫根クリームづくり 紫根オイル20g、乳化ワックス(非加熱タイプ)5g、精製水75g(ハーバルウォーターでも可) 1.紫根オイルに、乳化ワックスを加え、20回ほど撹拌します。 2.よく混ざったら、精製水を加え、さらに20回ほど撹拌してください。クリーム状になったら完成です。...

ハーブを使ったオイルで冬の乾燥対策を

肌の乾燥が気になる季節です。お風呂上りにしっかり保湿をしておかないと肌...

スギ花粉が飛ぶ季節の入浴

スギ花粉が飛ぶ季節の入浴

2022年が幕を開けました。 寒さが緩んで少しずつ春に近づいてくると、例年スギ等の花粉症で憂鬱になる方が増えますね。 放出源の一つであるスギ雄花は、既に1月あたりで気温の変化で休眠から目覚め、花を咲かせる準備を開始しています。 日本気象協会の2022年春の花粉飛散予測(第2報)によると、スギ花粉シーズンのスタートは例年並みで、九州や四国、中国、東海、関東の一部では2月上旬から飛び始めるということです(引用文献1)。 飛散開始と認められる前から少しずつ飛び始めますので、1月のうちから早めに対策を始めると良さそうです。 今回はスギ花粉の性質や花粉が起こす肌荒れのメカニズム、入浴での花粉対策についてご紹介します。 スギ花粉のアレルギー物質は、外層と内部両方に存在 スギ花粉が風に舞っている映像を見たことがある方は多いと思います。スギの雄花(写真1)から採取した花粉を顕微鏡で観察すると、ほぼ球形(写真2)をしています。 写真1、スギ雄花  写真2、スギ花粉 スギ花粉のアレルギー物質は、花粉の外層と内部の両方に存在します(引用文献2)。 花粉壁外層にはCryJ1(クリジェー1)という抗原タンパク質、花粉内部のデンプン粒にはCryJ2(クリジェー2)という抗原タンパク質があり、アレルギー物質として目や鼻のアレルギー症状を引き起こすことが知られています。 スギ花粉症患者は一様にCryJ1とCryJ2によってアレルギー反応を起こしているという特徴があります。 ちなみにスギ花粉は、水分を含むと球体がパカッと開いて中身が出ます(写真・3)。粘膜などの水分がある場所は、外層のCryJ1と内部のCryJ2の両方が接触してしまう、という訳です。 写真3、水分を含み開裂したスギ花粉   花粉症でなくても、花粉が肌荒れを起こす!? 前述のCryJ1について、昨年1月に資生堂が「スギ花粉による肌荒れの新たなメカニズムを解明」というプレスリリースをしました(引用文献3,4)。 発表されたメカニズムは、スギ花粉表面のCryJ1が血液凝固因子で知られる「トロンビン」というタンパク質を活性化し、表皮細胞が興奮して細胞間脂質分泌が減少して水分が蒸発しやすくなり、肌荒れを起こすというものです(図・1)。 一般的に知られているアレルギーのメカニズムとは異なりますので、花粉アレルギーでなくても、花粉によるアレルギーを引き起こす可能性を示しています。春先の肌の不調は、もしかしたら花粉によるものもあるかもしれません。 なお、資生堂はこの表皮細胞の興奮を抑制する物質として、トラネキサム酸(引用文献6)やトリペプチド(グルタミン・システイン・グリシンで構成) (引用文献3,4)に関して報告しています。  図・1 スギ花粉の抗原タンパク質「Cry j1」と有用薬剤(トリペプチド)の作用メカニズム(引用文献3)   入浴+抗炎症作用のある成分で花粉による肌荒れ予防 花粉対策としてCryJ1等を不活化する方法は、加熱や薬品、紫外線処理(引用文献5)などが報告されていますが、肌に利用するのは現実的ではありません。 付着した花粉を洗い流すことでCryJ1等との接触時間を短くできますので、毎日の洗顔・入浴・洗髪は、花粉症や花粉による肌荒れの予防・軽減に効果的です。 また洗顔や入浴後は、CryJ1等による表皮細胞の興奮を抑える為に、抗炎症作用のある成分(トラネキサム酸等(引用文献6))を含む製品を活用して、花粉の季節を少しでも快適に過ごしていただければと思います。 【引用文献】...

スギ花粉が飛ぶ季節の入浴

2022年が幕を開けました。 寒さが緩んで少しずつ春に近づいてくると、...